アプリ内課金の概要
アプリ課金には「アプリ内課金」と「アプリ外課金」の2種類があります。ユーザーがアプリをダウンロードした後、利用する中で発生した料金を支払ってもらうもので、課金方法によって利便性や収益性に違いがあります。
「アプリ内課金」は、ゲームアプリでよく使われる方法で、ユーザーがアプリ内で直接料金を支払います。
支払いはApp StoreやGoogle Play Storeなどのプラットフォームを利用して行われます。
(補足)アプリ外課金|自社サイトや他サービスの窓口で決済処理
「アプリ外課金」とは、アプリから外部のサイトに移動して決済を行う方法です。
これまで、アプリ内課金の場合、プラットフォーム企業に支払う高額な手数料が問題視されていましたが、2022年からは「リーダーアプリ」内で自社サイトへのリンクを含めることができるようになりました。
これにより、高額な手数料を回避できるため、アプリ外課金が増加しています。
なお、ゲームアプリは対象外です。
アプリ内課金が注目されている理由
近年、モバイル端末の普及と新型コロナウイルスの影響で、アプリ利用が急増しています。
アプリビジネスは今後も成長が期待される市場であり、アプリ内課金の手数料が減額されたことで、より参入がしやすくなりました。
アプリ内課金にある4つの種類
アプリ課金には4つの種類があり、収益モデルが異なるため、自社のビジネスやサービスに合った課金方式を選ぶ必要があります。
消耗型課金|消費アイテム購入型の課金
「消耗型課金」とは、アプリ内で使用するアイテムや商品を購入する課金方式で、再度使用するときは新しく購入する必要があります。無料でダウンロードでき、ゲームやアプリでよく提供されています。
具体的には、
- ゲーム内で使用するアイテムや通貨
- ガチャを行うための支払い
- ゲームを続けるためのライフ
などです。
非消耗型課金|コンテンツアンロック型の課金形態
「非消耗型課金」とは、一度購入すると、アイテムやサービスを永続的に使用することができる課金方式のことです。
具体的には
- 電子書籍や漫画などの閲覧解除
- 写真編集アプリにおける、フィルターやスタンプなどの使用制限解除
- 広告を非表示にする機能
などがあります。
課金することでアプリの機能の充実化や、自分好みのカスタマイズが、可能になります。
自動更新継続課金|サブスクリプションと呼ばれる形態
「自動更新継続課金」は、契約が自動更新され、ユーザーが解約しない限り継続的に利用できる、サブスクリプションのことです。
代表的なものには、「Spotify」「Netflix」のような、音楽・動画配信サービス、電子書籍の読み放題サービスなどがあります。
半年払いや年間払いなどの、長期契約に対しては割安な料金設定ができる場合もあります。ユーザーにはお得感を感じてもらえるというメリットがあります。でしょう。
非自動更新継続課金|月間・年間で契約を行う形態
「非自動更新継続課金」は、期限付きでサービスを利用するための定額課金方式です。契約期間を過ぎると利用できなくなりますが、必要に応じて再度契約することができます。この方式は、スポーツ動画やエンターテインメント動画などのシーズンパス、キャンペーンなどの期間限定コンテンツ、ソフトウェアの期間限定利用などでよく使われます。
アプリ内課金のメリットとデメリット
とは、アプリ内で直接料金を支払う課金方式です。以下では、アプリ内課金のメリットとデメリットについて詳しく説明します。
アプリ内課金のメリット|利便性の高い決済方法
アプリ内課金のメリットは、App StoreやGoogle Play Storeなどのプラットフォームを利用して課金を行うことで、導入のハードルが低いことがメリットです。すでに完成されたプラットフォーム内で支払いが行えるため利便性が高く、顔認証や指紋認証で手軽に決済できる点もメリットでしょう。
アプリ内課金のデメリット|手数料の負担が大きい
アプリ内課金のデメリットは、プラットフォームに支払う手数料が高額であることです。販売額の15%〜30%程度で、アプリ運用にも悪影響を与える可能性があります。また、価格の設定がプラットフォーム企業が決めた価格基準で行われ、決済方法を事業者側で自由に設定できない点もあります。
アプリ外課金のメリットとデメリット
アプリ外課金は、ユーザーをアプリ内ではなく、外部のWebサイトへ誘導して、決済する課金方法です。この方法を選ぶ事業者が増えており、メリットとデメリットがあります。
アプリ外課金のメリット|プラットフォームの決済手数料が不要
アプリ外課金のメリットは、プラットフォームの決済手数料が不要であり、収益性が改善される可能性がある点です。手数料の分ユーザーに還元すれば、お得感を与えられ、課金率も向上するでしょう。また、導入できる決済方法が豊富で、ニーズや利用者数に合わせて導入できる点もメリットとして挙げられます。
アプリ外課金のデメリット|決済用サイトの準備が必要
アプリ外課金のデメリットは、決済用サイトの準備が必要であることです。このため、アプリ内課金に比べて、アプリ導入のハードルが高くなることがあります。また、外部Webサイトに移動する必要があるため、利便性が下がるとともに、ユーザーが面倒に感じて離脱する可能性があるという点もあります。
アプリ内課金にかかわるその他の内容
Appleは、定期的に特定地域のApp Storeの価格を変更しており、これまで何度か変更が行われてきました。2022年10月5日には、アプリとアプリ内課金(自動更新のサブスクリプションを除く)の価格が引き上げられました。
アプリ内課金の税金と価格変更
2022年10月にApp Storeでのアプリとアプリ内課金の価格が上がりました。値上げの原因は円安・ドル高の影響とされており、日本での値上げは2019年以来の消費税の増税によるもので、値上げ幅は約3割となりました。価格設定に柔軟性が出た反面、ユーザーにとっては大幅な値上げとなりました。
アプリ内課金の実装方法
前述した通り、アプリ内課金には、下記の4種類があります。
- 消耗型
- 非消耗型
- 自動更新サブスクリプション
- 非更新サブスクリプション
アプリ内課金の購入処理を実装するには、StoreKitと呼ばれる、フレームワークを使用します。
しかし、実装方法には複数あり、専門的な知識が必要です。通常はプログラマーがコーディングを行います。
まとめ
この記事では、アプリ内課金、アプリ外課金を比較してきました。本記事を参考に、利用者のニーズに合わせて、適切な課金方式を選択しましょう。