アプリ開発の手順・作り方の基礎知識|成功のコツや外注に必要な注意点も解説

アプリ開発で知っておきたい基本の流れ・工程を詳しく解説

本記事では、アプリ開発の工程について詳しく解説します。詳しい開発の種類や開発後の流れも記載しています。本記事を読んでアプリ開発の大枠を掴んでください。

目次

企画提案:開発したいアプリの目標設定について

アプリ開発の企画を考えるときは、2つの視点から目標を設定することが大切です。

会社のビジネス目標

ビジネス目標は、具体的な数値や内容を設定することが重要です。何ヶ月でどのような実績を出すかを細かく決めることで、どのような工程が必要か具体的に計画を立てることができます。アプリを開発する目的やターゲット、必要な機能を考えましょう。

ユーザーの目標

ユーザーがアプリを利用して、どのような目的を持っているかを分析しましょう。例えば、必要な物を購入するための買い物アプリや、お店の予約をするためのアプリなど、ユーザーが求めているものを把握することが重要です。

ユーザー側の目標を優先し、その目標を達成するために必要な機能や情報発信方法を開発することが大切です。ユーザーの目線に合わせたアプリ開発を心掛けましょう。

アプリの設計

アプリの目標が決まると設計に進みます。設計には3つの要素があります。

要件定義の設定

要件定義とはアプリに備え付ける機能や性能を定めて、どのようにシステムを組み立てるかについて決めることです。
「要件定義書」の作成をするクライアントも多くあります。要件定義書をもとにアプリの開発を行います。
要件定義書には、

  • 業務要件:開発のために何を具体的にするのか
  • 機能要件:どのような機能を実装するのか
  • 非機能要件:どのような機能を実装しないのか

を細かく記載しましょう。

ここで、計画や概要の見積もりに漏れがあると修正が必要です。
可能な限り、細かく明確な計画を立てる必要があります。

基本設計(外部設計)を決める

開発したいアプリの構成やレイアウト、アプリ内の操作方法を決めます。
アプリ開発に関するスケジュールや開発体制もこのタイミングで決定します。
実際のアプリをイメージしながら設計を行うことが重要です。

基本設計ではユーザー目線の使いやすさと、会社目線の売り出したいサービスのバランスを保つ必要があります。
また、納期設定から細かいスケジュールを決めてください。

詳細設計(内部設計)の確認

基本設計の実現に必要なシステム構築の手順を決めます。
アプリ内におけるデータ処理の方法や、プログラミングの際に必要な手順を決定します。
詳細設計は最も細かい部分まで決める必要があり、プログラミングなど専門の知識が必要です。

詳細設計は自社で行うと非常に難しい工程です。そこで、アプリ開発会社へ依頼することでコストを下げて、クオリティを上げることができます。

アプリ開発のスタート

アプリの設計が終われば開発がスタートします。また、アプリの開発方法には2つの種類があります。

ウォーターフォール開発とは

「企画・計画・設計・実装・テスト」の段階を順番に行う開発方法です。
例えば、規模の大きいアプリ開発に用いられます。
ウォーターフォール型はスケジュール管理がしやすく、開発するアプリの品質が安定しやすいというメリットがあります。
一方、アプリの内容を固めながら次の工程へ移るため、大きな変更を行うと最初からやり直さなければいけなくなるというデメリットがあります。
そのため、開発前の要件定義を細かく固める必要があります。
さらに、開発途中で大きな変更や見落としが発見されると、納期が遅れ追加料金の発生する可能性もあります。

アジャイル開発とは

アジャイル開発とは、システムを細かく分けそれぞれ別に開発していく方法です。
ウォーターフォールと比べると、「企画・計画・設計・実装・テスト」という小さいサイクルを繰り返すイメージです。
修正しながらアプリを作り上げたいクライアントや、規模の大きくないアプリを作る際に有効です。

また、アプリ内の機能に優先順位をつけて開発できるため、途中で機能の追加ができます。
さらに、アプリのリリースが早いこともメリットです。
しかし、機能の追加があればその分費用がかかります。そのため、アプリを作る前に費用の総額が分かりにくいでしょう。

テスト操作

アプリの開発が進むと、リリース前にテスト操作を行います。

単体テスト

単体テストは要件定義書通りにアプリが起動するかを検証するものです。
「希望する操作がきちんと処理されているか」「データの登録は正しく行われているか」などのように細かいチェックが必要です。
単体テストは、テストフレームワークと呼ばれるものでテストの自動化もできます。

複合テスト

複合テストは複数のプログラムと結合させた場合に、一連の流れで設計通りに動くかを確認するものです。
企業目線のプログラムやデータの登録を確認する他、ユーザー目線でアプリの動作をチェックします。
ユーザーが実際に使用するときの動きを想定してテストを行います。

アプリのリリース

開発が完了すると、アプリのリリースを行います。
アプリのリリースには、アプリストアへの申請が必要です。
iOSアプリはApp Storeへ、AndroidアプリはGoogle Playストアへ申請します。
アプリストアによって、審査が承認されるまでの時間が大きく違います。
App Storeは7日から14日、Google Playストアは数時間で公開されることが一般的です。
アプリ申請の際、登録費が発生するため、見積もりに見落としがないよう確認が必要です。

リリース後の運用と保守

アプリをリリースした後、その後の運用はとても重要です。
例えば、アプリの不具合対応や、アップデートの対応が当てはまります。
また、顧客からの問い合わせ対応も運用のひとつです。

アプリを運用していくと、途中で機能の追加や新しいページを作成する可能性があります。
アプリ開発の際は、リリース以降の運用も視野に入れて計画を立てましょう。
アプリ開発後にしっかり運用を行うことで、費用対効果を発揮します。

アプリ開発の時に気をつけたい点

アプリ開発を行うとき、気をつけたい点がいくつかあります。

外注では、依頼してから順序立てを行い慎重に決めていくことがポイントです。最初から決めすぎてしまうと、前述の通り開発途中で見落としがあった場合に最初から開発し直さなければいけません。

また、外注したときのメリットとデメリットを理解することも重要です。

  • メリット:アプリ開発をある程度一任できる
  • デメリット:コストと時間がかかる(見積りの比較などを行うと、より完成まで時間がかかる)

アプリの種類は4つある

アプリと一言で言っても、ネイティブアプリ・Webアプリ・ハイブリッドアプリ・PWA(プログレッシブウェブアプリ)の4つの種類があります。ここからは、それぞれのアプリの概要と特徴をご紹介します。

ネイティブアプリ

ネイティブアプリとは、Google PlayやApp Storeで配信されているアプリのことです。OSによって、Google PlayまたはApp Storeからインストールすることで、そのアプリを使用できます。ネイティブアプリは、専門的なさまざまな機能を持たせることができます。必要な機能を搭載できるため、アプリを有効に活用することでリピーター獲得に大きな効果が期待できます。ただし、OSごとに作成する必要があるため、費用や時間がかかるというデメリットもあります。

Webアプリ

Webアプリとは、Webブラウザ上で動くアプリのことです。Webブラウザを通して情報を発信できるため、ネイティブアプリとは違い、OSごとに開発する必要がなく、手間やコストを削減できます。また、インターネット未接続時にも使えるため、オフライン時も情報発信が可能です。一方で、デメリットとして、ネイティブアプリに比べて使用できる機能が少ないことが挙げられます。

ハイブリッドアプリ

ハイブリッドアプリとは、Webアプリとネイティブアプリ両方の性質を持つアプリのことです。スマホアプリでブラウザを見るような形式で、その名の通りどちらの特徴も搭載しているハイブリッドなアプリと言えます。もちろん、アプリとして実装するためアプリが持つ連携機能も使えます。

PWA(プログレッシブウェブアプリ)

PWA(プログレッシブウェブアプリ)とは、Webサイトをアプリのように使用できる機能のことです。ネイティブアプリはOSごとにストアからインストールする必要がありますが、PWAはWebサイトから直接インストールできるためインストールしてもらいやすいというメリットがあります。
また、プッシュ通知やキャッシュの利用もできるなど、ネイティブアプリと同様の機能が使える点も特徴です。

アプリを開発することのメリット

アプリを開発することで、以下のメリットが得られます。

  • 情報発信に役立つ
  • 顧客との接点増加に役立つ
  • 顧客をリピーター化させやすい機能を持たせられる

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

情報発信に役立つ

アプリの利点の一つは、情報発信がしやすくなることです。なぜなら、アプリをインストールするとスマートフォンのホーム画面にアイコンが表示され、顧客は簡単にアクセスできるからです。アプリではセールや店舗情報など、様々な情報を発信できます。

また、プッシュ通知機能を利用すると、オフラインでも情報を発信できるため、Webサイトなどと比較して情報発信の効果が高くなります。さらに、アプリをインストールするとホーム画面にアイコンが表示されるため、アプリにアクセスしてもらえる確率が高くなります。

顧客との接点を増やすことができる

アプリのもう一つのメリットは、顧客との接点を増やすことができるということです。アプリは口コミ投稿やプッシュ通知など、ユーザーとの接点を作りやすいため、顧客とのコミュニケーションを取りやすくなります。

例えば、プッシュ通知を活用してセール情報などの情報を発信することで、顧客の興味を引き付け、店舗に来店してもらいやすくなったり、お店に興味を持ってもらえるきっかけになることがあります。また、アプリ内での口コミ投稿やアンケート回答などによって、顧客の声を直接聞くことができ、商品やサービスの改善点を把握することができます。

顧客との接点を増やすことは、リピーターを増やすために不可欠です。アプリを活用することで、顧客との接点を増やし、リピーターを獲得するための効果が期待できます。

顧客をリピーター化させやすい

顧客をリピーター化させやすい機能を持つこともアプリのメリットの一つです。アプリには、会員カード機能やクーポン機能などがあり、再来店を促すことができます。

アプリを開発する方法によって、利用できる機能は異なりますが、アプリは顧客をリピーター化させやすい機能を持つため、機能を有効に活用することでリピーター獲得につながるでしょう。

アプリ開発を成功させるコツ

アプリ開発を成功させるためには、直感的に操作できる、入力しやすいなど、ユーザービリティに重点をおきましょう。リリース前の外部テストや、リリース後のカスタマーレビューなどからフィードバックを取り入れることも大切です。改善・機能追加など、継続してアップデートしていくことが成功のコツです。

アプリの開発を外注する際のポイント

アプリ開発を外注する際は、外注先の得意分野や料金体系、サポート体制をチェックしましょう。それぞれについて詳しく解説します。

得意分野が開発したいアプリに適している

アプリ開発会社によって得意分野や強みが異なります。分野は、ゲーム、コミュニケーションツール、ショッピング、業務管理などを指します。ホームページに掲載されている実績を確認しましょう。また、どのデバイス向けアプリの開発に強いかという点も確認しましょう。開発したいアプリの分野と、開発会社の得意分野がマッチしていることが重要です。

料金体系に妥当性がある

アプリ開発は、料金とアプリの品質の高さが、必ずしも比例しないことを念頭に置きましょう。反対に、安いからといって質が悪いとも限りません。しかし、料金の安さだけで外注先を決めてしまい、さまざまな理由で追加料金を請求されるケースもあります。

アップデートやバグへの対応、保守契約、知的財産権についてなど、料金に含まれる項目は、契約時に必ず確認しましょう。

アフターフォローやサポートがある

アプリは、開発してリリースした後の保守・運用も重要です。不具合の修正やアップデートなど、アプリはリリース後も多くの作業が必要になりますが、アプリ開発を検討している時は見落としがちな部分です。保守・運用は社内のエンジニアが行うケースもありますが、開発会社のサポート体制や費用などを確認し、費用対効果を一度検討してみてもよいでしょう。

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アプリ開発の流れをご紹介した通り、自社開発や開発のディレクションは非常にコストと時間を要します。
もしも自社開発が難しい方や、アプリ開発をある程度おまかせでお願いしたい方は、多少丸投げしても問題のない開発会社への外注をおすすめします。

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