販促とは？意味や目的・効果を解説｜具体的な販売促進方法6選も紹介

「販促」は、マーケティング戦略を練る上でよく使用される言葉です。類似語や販促の方法は多く、ビジネスを成功させるためには適切に使い分けることが重要です。本記事では、販促の厳密な解釈や効果的な方法について解説します。

販促とは

「販促」とは商品の宣伝活動を行い、ユーザーの購買意欲を高め、売上の向上を目指す戦略のことです。ここでは、販促の意味や目的、類似語との違いについて分かりやすく解説します。

販促の意味

販促とは「販売促進」を略した言葉です。商品をPRして世間へ広く認知させ、企画やイベントを通して消費者の購買意欲を掴み、消費を促して業績を向上させる狙いがあります。

消費者へ商品の魅力をアピールする活動は、すべて「販促」の範囲と捉えてよいでしょう。認知度を向上させることで新規顧客の獲得につなげ、また、既存顧客に対しても効果的にアプローチできます。具体的な活動には、試供品の配布、イベントの開催、クーポンや割引券の発行、実演販売などが挙げられます。

販促が重要視される理由・目的

多くの企業が販促を重要視する理由は、商品やサービスにおける認知度を底上げし、収益の拡大につなげるためです。市場には競合他社による類似品があふれており、何も手を打たなければ自社の商品は埋もれていくばかりでしょう。そのため、商品やサービスの魅力を積極的に伝えることがマーケティングを成功に導くカギとなるのです。

販促を通じて必要な情報を消費者へ届けることで他社商品との違いを明確にし、差別化を図れます。

「営業」「宣伝」「販売」との違い

概要	特徴	ニュアンス
営業 (Sales)	魅力を伝えて購入を後押しする活動	顧客へ直接商品やサービスを提案し、契約を促進する活動
宣伝 (Advertising)	認知度を向上させるための活動	大衆やターゲット層に対してメッセージを広め、商品やブランドを知らせる広告活動
販売 (Selling)	商品を売る活動	商品やサービスを顧客に提供し、取引を成立させる過程を指す活動
販促 (Promotion)	消費者と自社商品の接点をつくり、購買までの動線を整える活動	販売促進のために、広告、イベント、キャンペーンなどを通じて顧客の購買意欲を高めるための総合的な戦略

販促とは「消費者と自社商品の接点をつくり、購買までの動線を整えること」を強調する言葉です。類似語には「営業」「宣伝」「販売」などが挙げられます。

それぞれの意味は、営業＝魅力を伝え購入を後押しする活動、宣伝＝認知度を向上させるための活動、販売＝商品を売る活動を表すため、販促とはニュアンスが少し異なります。

一方、営業・宣伝・販売・販促はマーケティング上、容易に切り離せるものではないため、1つの部署がすべての活動を担っているケースも少なくないでしょう。

「マーケティング」との違い

販促に類似する言葉として「マーケティング」も挙げられます。マーケティングとは、商品の企画・発案から販売・発送までをひとまとめに指す言葉です。販促や市場の調査、価格の設定なども含まれます。

つまり、製品、価格、流通、販売など、売上に関わるすべての業務の大きなくくりとして「マーケティング」という言葉を用いるのです。一方、販促は「商品の宣伝・購買活動の促進」という限られた活動範囲を表します。

販促の方法【オフライン・オンライン】

販促にはさまざまな方法があります。ターゲット層や目的に合った方法を選ぶことで、より高い効果を期待できるでしょう。

販促方法	メリット	デメリット
チラシ・看板・ダイレクトメール (オフライン)	・幅広い世代にアプローチ可能 ・地域ターゲットに効果的 ・物理的な資料を手に取りやすい	・印刷・発送コストがかかる ・リアルタイムな情報更新が難しい ・リーチと効果の測定が難しい
テレビCM・ラジオ (オフライン)	・音声と映像で情報を効果的に伝えられる ・高い視認性と記憶に残りやすい	・制作・放送に高額なコストがかかる ・ターゲット層へのピンポイントなアプローチが難しい
イベント・店頭キャンペーン (オフライン)	・商品やサービスを体験させることが可能 ・実感を生み出し、購買意欲を高める効果がある	・イベントの開催や運営にコストとリソースが必要 ・集客が難しい場合がある
SNS運用・SNS広告 (オンライン)	・利用者が多く、広告の認知度向上に寄与する ・ターゲット層に合致した広告配信が可能 ・リアルタイムで情報更新が可能	・競争が激化し、広告コストが上昇する可能性がある ・適切な戦略を立てないと広告の効果が得られない場合がある
オウンドメディア・公式アプリ (オンライン)	・自社メディアで情報を効率的に伝えられる ・リピーターへの情報提供が容易 ・顧客とのコミュニケーションを強化可能	・メディアやアプリの運営に人材と費用が必要 ・新規ユーザー獲得には限定的な効果がある可能性がある
Web広告 (オンライン)	・インターネットを通じて幅広いターゲット層にリーチ可能 ・キャンペーンの効果をリアルタイムで測定可能	・クリック率や広告費用の競争が激化し、コストがかかる場合がある ・適切なターゲット層への広告配信が難しい場合がある

ここからは、具体的な活動方法をオフラインとオンライン別に紹介します。

チラシ・看板・ダイレクトメール【オフライン】

チラシや看板、ダイレクトメールは、あらゆる世代に有効な方法の1つです。店舗を日本中に展開している企業の場合は、チラシを全国紙に折り込むことで広く効果的に認知度を向上させられます。

また、地域に根ざした店舗運営をしている場合には、店舗のある近辺に看板を設置することで、近隣住民へアプローチできます。ターゲットを絞って情報を届けたいときには、ダイレクトメールが有効でしょう。

テレビCM・ラジオ【オフライン】

テレビCMやラジオを使うことも有効です。音声と映像であれば、情報を分かりやすく届けられます。また、文字や図柄に比べて、視聴者の印象に残りやすいことも特徴です。ただし、制作や配信に費用がかかるため、実質的な収益とのバランスを考慮する必要があります。

イベント・店頭キャンペーン【オフライン】

自社のイベントや、店頭でのキャンペーンを実施することも効果的です。ユーザーはサービスや商品を体験できるため実感が湧き、購買後のイメージを想像しやすくなります。

また、イベントやキャンペーンに注目が集まると、商品やサービスの魅力が増す効果もあります。

SNS運用・SNS広告【オンライン】

SNSの運用やSNS広告を活用することも有効です。SNSは利用者が多く、認知度の向上に役立ちます。具体的には、企業のアカウントを作成し継続的に運営する、インフルエンサーを起用する、タイアップ広告を出すなどが挙げられます。

ただし、SNSの種類によってユーザー層が異なるため、ターゲットと一致する媒体を選ぶことが重要です。

オウンドメディア・公式アプリ【オンライン】

自社で独自に運営するオウンドメディアや、公式アプリも有効な販促です。既存顧客へ情報を効率的に届けられます。そのため、リピーターの獲得を目的とした販促には高い効果を発揮するでしょう。

ただし、オウンドメディアの継続的な運営やアプリの開発には、人材と費用の確保が必須です。費用と比較し、ユーザーとのコミュニケーション方法として最適かどうかをよく見極めることがおすすめです。

Web広告【オンライン】

Web広告の活用も有効な販促方法の1つです。インターネットが普及した現代では、Web広告を打ち出すことで幅広い客層にアプローチできます。Web広告を選ぶ基準は、ユーザー数の多さ、ターゲット層に合致するかなどが重要なポイントです。

また、Web広告には検索広告やディスプレイ広告など複数のタイプがあるため、目的に応じて使い分けるとよいでしょう。たとえば、リピーターや顕在顧客に対しては検索広告、潜在顧客に対してはディスプレイ広告と、有効な方法が異なります。

まとめ

「販促」とはマーケティングの一環であり、消費者と商品の接点をつくり購買行動や引いては売上の向上につなげる活動です。有効な販促活動には、ターゲットや目的に合った方法を選ぶことが重要でしょう。