近年、さまざまな業界で社内アプリの活用が進んでいます。
社内アプリとは
社内アプリとは、企業や組織内部で使用することを前提に開発されたアプリケーションソフトのことです。チャット機能や掲示板、ファイル共有、タスク管理など、業務の課題解決をサポートするさまざまな機能があります。
社内アプリの機能
社内アプリには、コミュニケーションツールや文書管理システム、プロジェクト管理機能、会議支援ツールなど、多岐にわたる機能が存在します。導入にあたっては、企業規模や業務形態、解決したい課題に応じて適切な機能を選択することが重要です。
社内アプリの活用が広がっている背景
働き方の多様化により、従来の紙資料や掲示板では情報共有が困難になっています。また、部門間のコミュニケーション不足やナレッジ共有の課題もあります。社内アプリの活用は、スマートフォンからの即時アクセスやプッシュ通知機能で、確実な情報伝達が可能です。
社内アプリ導入の6つのメリット
社内アプリには、業務効率化やコミュニケーション向上など、さまざまなメリットがあります。ここでは、主な6つのメリットについて解説します。
リアルタイムでの情報共有が可能である
社内アプリは、プッシュ通知やメンション機能により、必要な情報をタイムリーかつ確実に共有できます。社内専用のプラットフォームであるため、メールと比べて、重要な連絡事項が他の情報に埋もれてしまうリスクも軽減されます。情報の更新状況を即座に把握できる点も、メリットのひとつです。
リモートワークなど柔軟な働き方に対応できる
社内アプリのクラウドベースの機能により、オフィス以外の場所からでも必要な情報に簡単にアクセスできます。また、複数のメンバーによる文書の同時編集や、プロジェクト進捗のリアルタイム共有が可能です。場所や時間を問わずチームワークを維持できるため、多様な働き方にも柔軟に対応できます。
コミュニケーションが活性化する
社内アプリのチャットや掲示板機能により、部署を超えた情報共有や意見交換がスムーズになります。従来は難しかった異なる部門間での連携も容易になり、業務の連携性が高まります。また、組織全体の一体感が醸成され、より活発なコミュニケーションの実現にもつながるでしょう。
社内の情報を一元管理できる
組織内のあらゆる情報を1か所で集中管理し、必要な部署間で共有・更新が可能となります。アクセス権限の設定やデータの暗号化も容易なため、情報セキュリティの強化にも効果的です。さらに、情報の整理や検索も効率的に行えるため、業務効率の向上も期待できます。
コスト削減になる
ペーパーレス化の推進により、印刷コストや書類管理にかかる手間を大幅に削減できます。また、業務プロセスの効率化によって作業時間が短縮され、人件費を含めた全体的なコスト削減が実現します。これにより、より付加価値の高い業務に時間を充てることが可能となるでしょう。
従業員エンゲージメントが向上する
業務に最適化された社内アプリの導入により、煩雑な作業が自動化され、従業員は本来注力すべき業務に集中できます。また、成功事例や感謝メッセージを共有することで、従業員のモチベーション向上も期待できます。結果として、組織全体の生産性と従業員満足度の向上につながるでしょう。
社内アプリの開発手段
社内アプリの開発手段は、フルスクラッチ開発とノーコード開発の2つです。それぞれの特徴と、メリット・デメリットについて解説します。
フルスクラッチ開発
フルスクラッチ開発は、既存のシステムやテンプレートを使用せず、ゼロからアプリケーションを構築する方法です。企業独自のニーズに合わせた機能やデザインを実現でき、複雑な業務プロセスにも対応可能という特徴があります。
一方で、開発には専門的なスキルと長期の開発期間が必要となり、費用面での負担も大きくなります。また、開発後の保守やアップデートにも、継続的なリソースが必要です。
ノーコード開発
ノーコード開発は、プラットフォームが提供する機能を組み合わせ、アプリケーションを構築する方法です。プログラミングの知識がなくても、視覚的な操作で必要な機能を選択し、システムを作り上げることができます。開発期間が短く、コストを抑えられる点が大きなメリットです。
ただし、実装できる機能はプラットフォームが提供するものに限られるため、独自性の高いシステムや複雑な要件には不向きな場合があります。
社内アプリ導入の4ステップ
企業が社内アプリを導入する際の流れを、4ステップで解説します。
目的を明確にする
社内アプリ導入の第一歩は、明確な目的設定です。現状の課題やニーズを詳細に分析し、アプリで解決したい問題を特定します。この段階で目的を明確にすることで、開発の方向性が定まり、効果的なアプリ開発が可能となります。
開発方法を決める
社内のIT人材の有無、予算、開発期間、必要な機能の複雑さなどを総合的に判断し、最適な開発方法を選択します。内製化と外部委託、またはフルスクラッチ開発とノーコード開発の選択は、プロジェクトの成否を左右する重要な判断となります。
社内アプリを開発・テストを実施する
目的に基づいて社内アプリを設計し、開発を進めます。機能実装後は、操作性や機能の過不足を確認するユーザービリティテストを実施しましょう。また、情報セキュリティの確保や、システムの安定性を確認する負荷テストも重要です。問題がないことを確認できたら、運用を開始します。
フィードバックを収集・改善を繰り返す
社内アプリは、運用開始後も継続的な改善が必要です。利用状況のモニタリングを通じて、使用頻度や機能の活用状況を把握します。ユーザーである従業員からのフィードバックを積極的に収集し、アプリの価値を高める改善を続けることが重要です。
社内アプリ導入の注意点
社内に浸透させるための施策を実施する
全従業員が社内アプリを効果的に活用できるよう、導入時には初期研修を実施し、詳細なマニュアルを整備することが重要です。また、アプリの具体的な活用事例を定期的に共有し、実際の業務での有効な使用方法を示すことで、運用の質を高めていきます。
運用ルールを策定する
社内アプリは、スマートフォンからのアクセスが容易なため、時間や場所を問わずコミュニケーションが可能です。しかし、この利便性が業務時間外の過度な連絡につながり、従業員の負担となる可能性があります。また、情報漏えいのリスク対策も欠かせません。業務時間外の利用制限や閲覧権限の付与といった、運用ルールを設けることが必要です。
社内アプリツールを選ぶときのポイント
予算とコスト効果を考慮する
社内アプリ導入には、初期費用だけでなく、月額使用料や保守費用などのランニングコストも含めた総合的な予算計画が必要です。併せて、将来的なユーザー数の増加や機能追加に伴うコスト変動の想定も重要です。拡張性を持つツールを選択することで、新たなシステム導入の必要性を減らし、長期的な観点でのコスト抑制が可能となります。
サポート体制を確認する
導入から運用まで円滑に進めるためには、充実したサポート体制が不可欠です。初期設定や既存システムとの連携サポート、トラブル発生時の対応方法など、具体的なサポート内容を事前に確認します。オンラインヘルプやマニュアル、カスタマーサポートの質と迅速性も、導入後の安定運用に大きく影響するため、慎重に検討する必要があります。
社内アプリの導入・活用例
社内アプリを導入し、活用している5社の例を紹介します。
アプリ導入で社内活性化
ある総合商社では、グループ内の多様なサービスや商品の認知度向上を目指し、社内アプリを導入しました。グループ全体で幅広い事業を展開していましたが、各事業のサービスや商品について、把握できている従業員が少ないことが課題でした。
そこで、社内アプリを通じて、サービスや商品の情報を従業員に浸透させ、従業員と顧客とのコミュニケーションツールとしても活用することを目指しました。まずは、アプリを通じて、従業員向け割引サービスを開始したことにより、従業員の自社サービスや商品の利用と理解を促進し、社内の活性化につながっています。
アプリ導入で顧客管理の工数削減
複数のバイクショップを運営する企業では、手書きの伝票管理と古い顧客管理ソフトの使用により、増加する顧客データの管理に課題を抱えていました。そこで、顧客管理システムの電子化を目的として社内アプリを導入しました。
その結果、伝票や顧客情報はデータとして一元管理され、工数を大幅に削減できました。また、顧客の購入履歴やメンテナンス記録も簡単に参照できるようになり、顧客サービスの向上にもつながっています。
コミュニケーション改善による業務効率化
ある製造業では、部門間の情報共有の遅れが業務の非効率を招いていました。そこで、社内専用のチャットと掲示板機能を備えたアプリを導入しました。
導入後は、部門を越えた情報交換がリアルタイムで可能となり、会議や決裁のスピードが大幅に向上。特に、製造現場と管理部門間での情報共有がスムーズになり、生産計画の調整や品質管理における意思決定が迅速化されました。また、社内イベントや重要な連絡事項も、アプリを通じて全従業員に即座に共有されるようになりました。
プロジェクト管理の効率化
ITサービス企業では、複数のプロジェクトを並行して進める中で、タスク管理の煩雑さが課題となっていました。この解決のため、プロジェクト管理機能を搭載した社内アプリを導入しました。
アプリ導入により、各プロジェクトの進捗状況がリアルタイムで可視化され、担当者の作業状況も即座に把握できるようになりました。また、承認フローの自動化により、以前は数日かかっていた決裁プロセスが数時間で完了するようになり、業務効率が大きく改善されました。
情報共有基盤の構築
金融機関では、部署ごとに異なるシステムで情報管理を行っていたため、必要な情報の検索に時間がかかることが問題でした。この課題に対し、情報を一元管理できる社内アプリを導入しました。
導入後は、社内の各種文書や報告書が統合され、必要な情報への素早いアクセスが可能になりました。特に、検索機能の充実により、以前は30分以上かかっていた資料探しが数分で完了するようになり、業務効率の大幅な向上を実現しています。
まとめ
社内アプリは、リアルタイムな情報共有やリモートワーク対応、コミュニケーションの活性化など、多くのメリットをもたらします。導入を検討する際は、自社の課題やニーズを明確にし、適切な開発手法を選択することが重要です。
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