スマートフォンの普及で、アプリはより一層身近なものになりました。しかしながら、アプリの制作方法を知らない人も多いはず。そこでこの記事では、アプリの種類や制作方法、iPhoneアプリとAndroidアプリの違いなどを解説しています。自社でアプリの制作を検討している方は参考にしてください。
そもそもアプリとは
アプリとは「アプリケーションソフトウェア」の略称です。特定の用途や目的に応じて、専用のプログラムを組んだソフトウェアを指します。プログラムを組み込んでいるため、ボタンを押すだけで操作が可能です。

アプリの3つの種類
アプリは、おもに「ネイティブアプリ」「Webアプリ」「ハイブリッドアプリ」の3種類に分けられます。それぞれの特徴を解説します。
1.ネイティブアプリ
ネイティブアプリとは、パソコンやスマートフォンなどのデバイスにインストールし、使用するアプリです。たとえば、スマートフォンで使用する「Instagram」や「X」などのアプリが該当します。

2.Webアプリ
Webアプリとは、パソコンやスマートフォンなどを用いてブラウザ上で使用するアプリです。デバイスにインストールする手間がなく、比較的手軽に使用可能です。

3.ハイブリッドアプリ
ハイブリッドアプリとは、ネイティブアプリとWebアプリの双方の長所を備えているアプリです。Webアプリのようにプログラミング言語で開発でき、ネイティブアプリのようにインストールして使用できます。
アプリの制作方法
アプリを制作するには、どのような方法があるのでしょうか。3つの方法を解説します。
1.プログラミング言語で作る
プログラミング言語での制作は、アプリ制作の基本的な方法です。覚えるまでに時間がかかるものの、自由度が高く、幅広い機能を取り入れられます。プログラミング言語には、「Swift」「Java」「Kotlin」「JavaScript」などの種類があります。
2.アプリ開発ツールで作る
アプリ開発ツールとは、アプリを制作できるツールです。「ノーコードツール」が活用されており、フォーマットに当てはめることで、プログラミング言語を使用しなくともアプリを制作可能です。プログラミングの知識がないものの、まずアプリを制作してみたいという人に適しています。
3.ゲームエンジンで作る
ゲームエンジンとは、その名のとおり、ゲームアプリの開発に特化したソフトウェアです。ゲームを作るための基本的な機能が、パッケージ化されています。プログラミングの知識が豊富でなくとも、プログラムを配置することでゲームを作成できます。パソコン用でもスマートフォン用でも、「Unity」や「Unreal Engine」などのゲームエンジンが主流です。
アプリ制作の5ステップ
アプリを制作する場合どのような手順で進めればよいのか、企画から運用まで5つの手順を解説します。
アプリを企画・設計し、機能や画面サイズを決める
はじめに、作りたいアプリの企画・設計からスタートします。まずはアプリを開発する目的・ターゲット層を定めましょう。その後、ジャンルや機能・想定のユーザー層・画面サイズ・画像などを決めます。
開発環境を用意する
設計を終えたのち、開発環境を用意します。具体的には、開発に必要なパソコンやスペック、ソフトウェアなどです。iPhoneとAndroidで必要な開発環境は異なります。iPhoneアプリでは「XCode」、Androidアプリでは「Android Studio」が必要です。
プログラミングする
設計を終え、素材を用意したのち、実際にプログラミングしていきます。設計した内容を変えることなく、計画通りに進めることが重要です。設計が不十分であった場合は一度開発を止め、設計の段階に戻ってもよいでしょう。
テストを実施する
プログラミングを終えると、テスト用の端末を用いてテストを実施します。テストとは、設計通りにアプリが完成しているか確認する作業です。動作に問題がないか確認し、バグが発見された場合は解消に向けて作業します。バグだけでなく、使いやすさや処理速度など、ユーザー視点で細かく確認しましょう。
リリースし運用する
テストを終えたのち、App StoreやGoogle Playなどの公開手続きを進めます。審査に通過すると、リリースできる状態となります。リリースには、iPhoneアプリであれば「Apple Developer Program」、Androidアプリであれば「Googleアカウント」が必要です。

iPhoneアプリとAndroidアプリはどちらがおすすめ?
スマートフォン用のアプリの場合、iPhoneとAndroidの2種類がありますが、どちら向きに制作すべきでしょうか。日本におけるシェア率は、KANTER社の調査によるとAndroidが57.4%iPhoneが41.6%とAndroidが上回っているものの、大きな差はありません。
そのためシェア率ではなく、制作するアプリの特徴で考えましょう。以下で、開発の難しさや審査時間の長さについて解説します。
参考:Android vs. iOS – Smartphone OS sales market share evolution
アプリ開発の難しさ
プログラミング言語に長けていなければ、Androidアプリのほうがアプリ開発の難易度が高いとされます。Androidアプリの制作に一般的に使用される、プログラミング言語「Java」の取得が難しいとされるためです。一方で、iPhoneアプリで使用する「Xcode」は使いやすく、プログラミング言語の「Swift」は少ないコードでプログラムを組めるため、比較的容易とされます。
リリースに必要なコスト
どちらもリリースに費用がかかるものの、比較するとAndroidアプリが安価です。初回に25ドル支払えば、その後は費用がかかりません。iPhoneアプリは、年間99ドルが必要です。
審査時間の長さ
以前はAndroidアプリが審査を早期に終えられたものの、現在ではiPhoneアプリに優位性があります。iPhoneアプリは、提出したアプリの約90%が24時間ほどで審査を終えられるためです。
Androidアプリの標準審査は7日前後で、環境によってはより時間がかかることもあります。ただし、アプリの内容や状態によっては時間を要するケースもあるため、必ずしもiPhoneアプリが早いとはいえません。1つの目安として考えておきましょう。
アプリを自社で制作するメリットとデメリット
アプリを自社で制作する場合、メリットとデメリットが挙げられます。ここでは、それぞれについて解説します。

アプリを自社で制作するメリット
アプリを自社で制作すると、アプリ開発のノウハウを自社に蓄積できるメリットがあります。知識やスキルがあるため、機能の追加や仕様変更にもスムーズに対応できます。外注する場合に比べて、コストが抑えられる点もメリットです。
アプリを自社で制作するデメリット
アプリを自社で制作する際に社内にエンジニアやプログラマーがいないと、採用や教育にコストを掛けなければなりません。募集したからといって、すぐに人員が集まるとは限らないため、状況に応じて、スケジュールを調整する必要も出てくるでしょう。
アプリ制作を外注するメリットとデメリット
アプリは、アプリ開発会社に制作を依頼することもできます。外注する場合もメリットとデメリットがあるため、事前に把握しておきましょう。
アプリ制作を外注するメリット
アプリ制作を専門家に依頼することで、スピード感のある開発が可能です。アプリに特化した開発会社を選べば、自社では想定が難しいトラブルに対応してもらえたり、必要な機能や仕様について、アドバイスをもらえたり、協力体制のもと、スムーズに開発が進められるでしょう。
アプリ制作を外注するデメリット
アプリ制作を外注するデメリットとして、開発会社の良し悪しが判断しづらいことが挙げられます。アプリ開発会社によって、得意なジャンルや対応範囲が異なります。アプリ開発会社の選び方については、次項で解説します。
アプリ制作をアプリ開発会社に発注する際の選び方
アプリ制作をアプリ開発会社に発注する場合、どの開発会社を選ぶかが重要です。ここでは、選び方を解説します。

実績から選ぶ
アプリ開発会社を選ぶ際は、実績を確認しましょう。多くの実績を持つアプリ開発会社は、その数だけ開発・運用ノウハウを持っていることになり、経験が豊富です。アプリ制作の実績は、その会社のアピールポイントです。実績数だけでなく、どのようなアプリ開発を行ってきたかも、参考資料やホームページなどで確認しましょう。
サポート体制から選ぶ
アプリ開発会社がアプリ制作後、どのようなアフターサービスをしてくれるかも、選ぶ基準になります。バグ発生時の修正やOSアップデートに伴う改善にも対応してもらえるかを事前に確認しましょう。
得意分野から選ぶ
開発会社はそれぞれ得意とする分野を持っています。自社の業界・業種にマッチする開発会社を選ぶことで、関連知識や経験を活かした高品質なアプリ開発が期待できます。

アプリ制作を外注する際の注意点
完成のイメージは詳しく伝える
アプリ制作を外注する際には、具体的に、完成のイメージを伝えることが重要です。以下のような項目を細かく設定し、アプリ開発会社と共有しましょう。
- アプリの種類
- アプリ開発の目的・ゴール
- アプリの利用者層
費用を事前にすり合わせる
アプリ開発会社に依頼する場合は、事前にアプリ開発にどれくらいの費用が掛かるかを確認しておきましょう。アプリ開発後に修正や機能の追加が発生することも考えられます。
途中で仕様変更したり、想定外のトラブルが発生したりすると、それだけ開発工数が増えたり、開発期間が延びたりして追加費用が掛かることもあります。基本料金や想定される追加費用について、すり合わせが重要です。

納期スケジュールは細かく設定する
内容によって異なりますが、一般的には数か月~1年ほどかかります。納期は、開発会社と相談した上で、余裕のあるスケジュールを設定しましょう。
開発期間が延びると、コストが増えるだけでなく、リリース遅れなどによって、想定した利益が得られず、経営面にもマイナスになることも考えられます。
アプリ開発の成功ポイント
アプリ開発を成功させるために考慮すべき点を3つ解説します。
ユーザーの使いやすさを意識する
アプリの性能のよさが、ユーザーの使いやすさに直結するとは限りません。どれだけよいアプリを開発したところで、ユーザーに使われなければ宝の持ち腐れです。複雑でわかりにくいアプリデザインは、ユーザーを混乱させ、使い勝手を損ないかねません。ユーザーの使いやすさを意識し、直感的に操作できるアプリを制作しましょう。
リリース後の運用を考慮する
アプリは、リリースすれば終わりではありません。実際に使用したユーザーからの口コミやコメントをもとに、必要な機能を実装していく必要があります。リリースした後の運用までを念頭に入れて、アプリ制作に取り組むことが重要です。

ユーザーニーズに沿ったアプリを開発する
アプリは、ユーザーニーズをくみ取ったものであることが必要です。リサーチや分析を繰り返し、ユーザーニーズを理解したうえで、アプリ開発に着手しましょう。アプリ開発の初期段階からユーザーニーズに寄り添った機能を取り入れ、顧客体験を向上させることが重要です。
おすすめのアプリ開発会社
GMOデジタルラボ株式会社
GMOデジタルラボ株式会社は、店舗専用の集客支援アプリ「GMOおみせアプリ」を制作している会社です。高品質でコストパフォーマンスに優れたアプリの提供を強みとしており、セミオーダーのパッケージプランも充実しています。自由度が高いことも特徴で、自社の要望に合わせたアプリを制作できるでしょう。費用は、以下のとおりです。
- 初期費用:要問い合わせ
- 料金プラン:月額22,000円から
アイユー株式会社
アイユー株式会社では、主に集客支援アプリを制作しています。店舗専用のアイコン設定も可能です。店舗付近を通りかかった顧客へアプローチできる機能や、ポイント付与機能により、顧客の再来店を促せます。費用は、以下のとおりです。
- 初期費用:30,000円
- 料金プラン:月額19,800円から
株式会社DearOne
株式会社DearOneは、アプリ開発サービス「ModuleApps2.0」により企業のアプリを開発する会社です。企業は、自社のニーズに合わせたカスタマイズ性の高いアプリの提供が可能です。企業や自治体を対象とした公式アプリ開発サービスも提供しています。
- 費用は150万円から
株式会社ヤプリ
株式会社ヤプリは、プログラミングの知識がなくてもiOSとAndroidのネイティブアプリをスムーズに導入できるプラットフォームを提供している会社です。50以上の機能と幅広い外部サービスと連携が可能です。費用は、法人向け、個人、小規模事業者向けのLiteプランそれぞれで、以下のとおりです。
- 法人プラン:要問い合わせ
チームラボ株式会社
チームラボ株式会社は、金融・ゲームアプリ開発を得意とする会社です。空間演出やブランディング力にも定評があり、最新技術を活用したシステムやコンテンツを提供しています。費用については、問い合わせが必要です。
シーサー株式会社
シーサー株式会社は、インターネットサービスの運営会社です。Android・iPhone向けアプリの企画、UI/UX設計、デザイン、開発、運用までをワンストップで提供しています。培ったノウハウを活かしたコンセプト重視のアプリ開発が可能です。1つのソースコードでiOSとAndroid向けのアプリを同時に開発する「Flutter」の開発についても対応しています。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社モンスター・ラボ
株式会社モンスター・ラボはスマートフォン向けに、多くのアプリ開発を行う会社です。500以上に上る実績を活かし、アプリ開発の最新トレンドを網羅した制作も可能です。企画設計から開発運用まで、一気通貫のサービスが特徴です。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社ゆめみ
株式会社ゆめみは、アプリ開発のほか、オムニチャネルを中心としたデジタルマーケティング支援も手掛ける会社です。ネイティブアプリのみならず、LINEミニアプリの開発支援も行っています。費用については、問い合わせが必要です。
クラスメソッド株式会社
クラスメソッド株式会社は、業種や規模の異なる3,000社以上の企業のアプリ開発や支援実績を持つアプリ開発会社です。豊富な経験のほか、フォロー体制にも定評があり、自社サービスや技術に関するセミナーも数多く開催しています。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社クレアンスメアード
株式会社クレアンスメアードは、スマートフォン向けアプリの開発のほか、ネットショップ構築やIoTソリューションなども行う会社です。アプリの企画、設計、サーバ構築や保守まで一括での対応が可能です。費用を抑え、短納期での案件にも柔軟に対応できる強みがあります。費用については、問い合わせが必要です。
アシアル株式会社
アシアル株式会社は、クラウド技術を使ったアプリ開発プラットフォームを提供する会社です。開発チームのニーズに合わせて自由にカスタマイズができます。リモートビルド、自動デプロイメントなど、豊富な機能が特徴です。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社ブレイブソフト
株式会社ブレイブソフトは、2009年のスマートフォン発売直後からアプリ開発を手掛ける会社です。多様なジャンルのアプリ開発実績があり、VRアプリの開発も可能です。企画からデザイン、開発までを一貫して対応できる強みがあります。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社ガラパゴス
株式会社ガラパゴスは、美容室アプリの制作において多くの開発実績を持つ会社です。アプリ開発以外にも「グロース支援」や「ユーザーテスト」といった経営支援につながるサービスを提供しています。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社クロス・コミュニケーション
株式会社クロス・コミュニケーションは、アプリ開発において、戦略立案・開発制作・運用改善の3つを軸に最適なプランを提供するアプリ開発会社です。最新技術を使用したアプリの開発が得意で、株価のリアルタイムレートの取得といった難易度の高いアプリの開発も可能です。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社コアモバイル
株式会社コアモバイルは、アプリ制作のほか、システム開発やサイト制作といったWeb関連の開発・制作も手掛ける会社です。スポット保守、運営管理にも対応しているため、さまざまな角度からの提案が可能です。費用については、問い合わせが必要です。
ブライテクノ株式会社
ブライテクノ株式会社は、Android・iPhone向けアプリの開発を行っています。アプリ制作の企画から開発、コンサルティングに至るまで、一貫したサポート体制が特徴です。費用については、問い合わせが必要です。
フェンリル株式会社
フェンリル株式会社は、400社600アプリ以上の開発実績がある会社です。ディレクター、デザイナー、アプリエンジニアがチームを組んでアプリ開発に取り組むほか、ストア申請から公開後の改修やマーケティングもサポートしています。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社ジークス
株式会社ジークスは、アプリ開発のほか、企画からデザイン、運用までを提供している会社です。エンジニアとデザイナーが協力した開発体制により、ワンストップでサービスを提供しています。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社クリエイテラ
株式会社クリエイテラは、スマートフォン向けのアプリ開発を行う会社です。Apple社・Google社への申請の代行も対応しています。アプリの実績は200本以上で制作から配信まですべてワンストップで完結可能です。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社マリエッタ
株式会社マリエッタは、iPad、iPhone、Android、マルチプラットフォームのアプリの開発と運営を行う会社です。ゲーム開発にも力を入れており、リリースしたゲームのタイトルは、150本以上に上ります。アプリ内のゲームを集客ツールとして活用することも可能です。費用については、問い合わせが必要です。
ユイ・システム工房
ユイ・システム工房では、システムエンジニアとWebクリエーターがチームとなり、アプリのほか、Webサイト、業務システムなどを制作しています。生活情報や防災情報などの配信アプリが得意分野です。費用については、問い合わせが必要です。
株式会社Funseek
株式会社Funseekは、アプリ開発のほか、販売管理システムや業務システム開発を提供する会社です。アプリ開発では、SNSアプリ、チャットアプリやカジュアルゲームなどさまざまなジャンルを手掛けています。費用は以下のとおりです。
エンバーポイント株式会社
エンバーポイント株式会社の「App Publisher」は、個別に適したアプリの開発・解析・運用をワンストップで提供する会社です。スタンプ機能、バーコード機能など、幅広いアプリ機能が、標準で装備されています。費用は以下のとおりです。
- 初期費用+月額300,000円~
まとめ
アプリにはおもに3つの種類があり、制作方法も3つの選択肢があります。どのような方法であっても、一定の専門知識が必要となります。自社で制作する際は、企画・設計から開発環境の用意、プログラミングという手順を踏み進めましょう。
弊社のアプリ制作サービス「GMOおみせアプリ」は、2025年1月時点で、3,180社/10,900店舗の導入実績があります。高品質かつコストパフォーマンスに優れたアプリを提供し、さまざまな業種の企業や店舗様にご利用いただいております。
充実したカスタマーサクセスやデータを利活用し、必要なアプリ機能を提案します。自社のアプリ制作を検討する際は、GMOおみせアプリをご利用ください。
