近年、スマートフォンの利用の急速な拡大にともない、Webサイトの「アプリ化」が注目されています。
Webサイトのアプリ化とは
Webサイトのアプリ化とは、アプリを新たに開発し、ブラウザ経由で提供しているサービスをアプリでも提供できるようにすることです。本来は、App Storeや、Google Playからダウンロードできる「ネイティブアプリ」を開発することを「アプリ化」といいますが、近年は広い意味で「擬似アプリ化」を含む場合もあります。
「擬似アプリ化」とは
擬似アプリ化とは、Webサイトをアプリに似た仕様にすることです。主にWebサイトをアプリ化する技術「PWA」を活用します。擬似アプリ化とPWAの詳しい内容については、後ほど解説します。
Webサイトをアプリ化(ネイティブアプリ開発)する5つのメリット
ネイティブアプリを開発し、Webサイトをアプリ化するメリットについて解説します。
プッシュ通知を活用できる
Webサイトをアプリ化する最大のメリットは、プッシュ通知を活用できる点です。プッシュ通知は、ユーザーがアプリを開かなくても情報を届けられる、基本的な機能です。例えば、新商品やセールなど、重要な更新情報を即時に届けることで、アクセス数や売上の向上が期待できます。マーケティング効果の面でも優れた機能といえるでしょう。
ユーザーがアクセスしやすくなる
Webサイトをアプリ化すると、ユーザーがアクセスしやすくなります。従来のWebサイトでは、キーワードで検索する、ブックマークやお気に入りに登録しておいてアクセスするなどの手間がかかっていました。
一方で、アプリなら、ユーザーがホーム画面のアイコンをタップするだけでアクセスすることが可能です。ユーザーが欲しい情報にアクセスするまでのストレスを軽減できます。すき間時間にアクセスしてもらいやすくなるでしょう。
ユーザビリティが向上する
Webサイトをアプリ化すると、データの軽量化が可能になり、ユーザビリティが向上します。アプリではコンテンツの表示速度が上がるため、ユーザーのストレスも軽減できます。また、オフライン環境でも一部のコンテンツを閲覧できるように設定すれば、飛行機や地下鉄の中など、通信が不安定な場所でも利用してもらいやすくなります。
運営側の負担を軽減し効率化できる
Webサイトをアプリ化すると、運営側の負担を軽減し効率化できます。アプリ化することで、さまざまな業務をアプリに集約できるようになるためです。また、プッシュ通知の活用で、DMや架電業務の削減、問い合わせをアプリに限定し、対応漏れの発生防止も可能です。
必要な機能をアプリに搭載できる
Webサイトをアプリ化すると、必要な機能をアプリに搭載できるようになります。例えば、Webサイトだけでは実現が難しかった「QRコードによる会員管理」や「クーポンの発行」「ポイントカード機能」なども、アプリならスムーズに実装可能です。ユーザーにとっての利便性も大きく向上し、継続的な利用にもつながるでしょう。
Webサイトをアプリ化するデメリット
Webサイトをアプリ化するとメリットがある一方で、デメリットも生じます。以下で、2つのデメリットを解説します。
最初にインストールしてもらう必要がある
アプリの場合は、ユーザーにアプリをインストールしてもらわなければなりません。通信データ量に限りがあるユーザーや、格安スマートフォンユーザーの場合は、インストールのハードルが高い場合もあります。
アプリの利用価値を高め、ユーザーにインストールしてもらう工夫をしましょう。クーポンや割引などの特典を用意すれば、インストールを促しやすくなります。
アンインストールされることもある
ユーザーにアプリをインストールしてもらったとしても、運用方法によってはアンインストールされることもあります。例えば、プッシュ通知が多すぎる、アプリの利用価値がないなどの理由が挙げられます。
そのため、ユーザーにインストールしてもらった後に、継続して利用してもらえるよう工夫しましょう。運用や保守を徹底することで、アンインストールのリスクを減らせます。
Webサイトを「擬似アプリ化」する「PWA」
ここまで、ネイティブアプリについて解説してきましたが、Webサイトを擬似アプリ化する方法もあります。擬似アプリ化は、Webサイトでありながら、アプリのような表示と操作を可能にするものです。主に「PWA」の技術が用いられます。以下で、PWAの特徴について詳しく解説します。
PWAとは
PWAは、「Progressive Web Apps(プログレッシブウェブアプリ)」の略で、Webサイトのコンテンツを活用してアプリのように見せる技術です。アプリのように使えますが、Webサイトであるためユーザーがインストールする必要はありません。ブラウザ環境によっては、使える機能に制限があるため、注意が必要です。
PWAとネイティブアプリとの違い
PWAはWebサイトの一種であるため、アプリストアを経由せずにユーザーに提供できます。ただし、PWAの開発には通常のWebサイト制作よりも専門的な知識が求められ、コストも増加します。また、PWAはあくまで「ネイティブアプリ風」の動作を実現する技術であり、ネイティブアプリのようなすべての機能を備えているわけではありません。
一方、ネイティブアプリは、App StoreやGoogle Playといったアプリストアに登録する際に、審査を受ける必要があります。審査を通過すれば、クーポンの発行、プッシュ通知、オフライン閲覧などの機能が利用でき、ユーザーの利便性が高まります。アクセス数や売上の向上も期待できます。
よりマーケティング効果を高めたい場合は、ネイティブアプリの導入が適しているといえるでしょう。
「GMOおみせアプリ」ならおまかせでアプリ化(ネイティブアプリ開発)が可能
ネイティブアプリの開発を検討しているなら、「GMOおみせアプリ」の導入がおすすめです。GMOおみせアプリは、国内トップクラスの実績を誇る店舗アプリ制作サービスで、売上の向上、業務の効率化、販路の拡大といった課題の解決をサポートします。
基本仕様に加えてセミオーダー形式で必要な機能を選んで制作できるため、自社の目的に合ったアプリを手軽に導入できます。以下で、サービス内容を詳しく紹介します。
制作おまかせOK
GMOおみせアプリは、セミオーダーアプリとして提供されており、どんな業種のお店にもぴったりのオリジナルアプリを制作できます。専門知識は一切不要で、誰でも簡単に自社のニーズに合ったアプリを作成できるのが特徴です。
簡単にデータの活用が可能
GMOおみせアプリでは、来店や購買データをもとに簡単に分析が可能。
ユーザーの行動にあわせて、最適なタイミングでクーポン配信やプッシュ通知を実施できます。
アプリ運用のサポートが充実
GMOおみせアプリでは、カスタマーサクセスチームによる運用アドバイスなど、積極的な支援が提供されています。アプリ導入後の成果を最大限に発揮するためのサポートが充実しており、安心して運用できます。
「GMOおみせアプリ」導入の成功事例
アプリ内メッセージの活用で、クーポン利用率が1.6倍に増加
株式会社FIELDは、広島県内に7店舗を展開する作業服専門店です。以前は、顧客の属性情報を活用した販促が難しい状況にありました。
しかしアプリを導入したことで、属性や業種ごとの利用状況が可視化され、商品構成の見直しや、より効果的な販促施策の実施が可能になりました。さらに、クーポン配信時期の来店率は導入前と比べて約1.3倍に、クーポンの利用率が1.6倍に増えています。
関連記事:アプリ内メッセージの活用で、クーポン利用率が1.6倍に増加|株式会社FIELD
クーポン活用で利用率が2倍に増加・ MAU80%を達成
フレスコ株式会社は、福島県相馬市を拠点とする地域密着型のスーパーマーケットチェーンです。アプリ導入後は、ニュース機能やクーポン機能を積極的に活用し、来店促進に役立てています。
また、アクティブユーザー数やMAU、会員連携数といった重要な指標が可視化され、効果測定の作業負担も大幅に軽減されました。結果として、クーポンの利用率は導入前と比べて2倍に増加し、MAUは80%を達成しています。
関連記事:クーポン活用で利用率200%増加・ MAU80%を達成|フレスコ株式会社
ニュース開封率やリピート率の大幅改善を実現
株式会社あさひやは、アパレルショップ「FIRST」や「two FIRST」を展開する企業です。アプリ導入後は、ニュース機能やポイント機能を中心に活用しています。
特にニュース配信においては、開封率が導入前と比べて約7倍に向上しました。アプリを見て来店する顧客も増加し、リピート率は44%にまで改善されました。アプリを活用することで、顧客との接点が強化され、継続的な来店につながっています。
関連記事:ニュース開封率やリピート率の大幅改善を実現|株式会社あさひや
まとめ
Webサイトのアプリ化は、ユーザビリティ向上やプッシュ通知による集客強化など多くのメリットがあります。一方で、インストールの手間や運用の工夫も必要です。手軽にアプリ化したい場合は、PWAの活用も有効です。目的に応じて最適な方法を選びましょう。